11.29.2018

Demand-Side Platforms & The Future Role of Marketers

デマンドサイド・プラットフォームとマーケターの新たな役割

Oathのチーフ・サイエンティスト兼研究開発担当バイス・プレジデント、Niklas Karlsson博士が、DSPおよび2019年にマーケターが担う新たな役割について、2019年版のJournal of Integrated Marketing Communicationsで解説しています。

以下は記事全文を紹介したものです。

Oath、Google、Facebookなどの企業の成長と収益拡大には、プログラマティック・アドバタイジングは不可欠なものです。この戦略では高度なアルゴリズムと信頼できるデータを活用して自動的に関連性の高い広告を掲載し、効果的なユーザー・エクスペリエンスを提供しながら、広告主の売上増に貢献します。マーケターにとって、推測に頼ることなく、マーケティング・キャンペーンを設計、実施することができる方法です。

デマンドサイド・プラットフォーム(DSP)は、プログラマティック・アドバタイジングのための場所を提供してくれます。いわば広告主と1つ以上のオープンなインプレッション取引所を取り持つ仲介者のような役割を担っています。オープンなインプレッション取引所とは、バイヤーが広告のインプレッションを手動またはプログラミングによって入札・購入するオープンな市場です。ここでのインプレッションとは、インターネット・ユーザーに広告素材(バナー広告、テキスト広告、プレロール動画コマーシャルなど)を表示する機会を意味します。DSP経由で購入するインプレッションの価格は、アド・エクスチェンジが開催するオークションで決まります。したがって、類似インプレッションの供給と、競合する広告主の需要によって決まるのです。DSPは広告主のマーケティング予算を最適に管理することを目的としています。広告主によっては、ブランドの普及とリーチ拡大、クリック数や売上の最大化が目的の場合もあります。

 

ビジネスモデル

図1:DSPのビジネス・モデルは、パフォーマンス強化によってDSPへの広告予算が増えるという「フライホイール」にもたとえることができる。

 

DSPがマーケターにもたらすメリットやその仕組みについて理解するには、基礎になっているビジネス・モデルを理解することが重要です。完全に正確な表現とは言えませんが、方向性において「勝者独り占め」の原理に基づいています。特に、すべてのインプレッションの大部分がオープンな取引所で販売されているため、競合するDSP(競合する広告インプレッションの広告主を担当)は、ほぼ同等なインターネット・ユーザーにアクセスすることができます。有能な広告主であれば、投資回収(ROI)が最も見込めるDSPに広告予算を投入します。たとえば、同じ広告予算でDSP(A)がDSP(B)よりも若干コンバージョン率が高い場合、広告主はすべての広告予算をDSP(A)に移す可能性があります。ただし、実際にはもう少し複雑です。一般的に、広告主は単一のDSPには依存しません。カスタマー・サービス、レポート、インサイト、操作性などの点も考慮します。

つまり、各DSPは与えられた広告予算で、最大限のキャンペーン・パフォーマンスを提供することが期待されています。図1ではこのようなビジネス・モデルをフライホイールとして表しています。優れたパフォーマンスは、インターネット・ユーザーに関する最も豊富で有益なデータを基に最適化アルゴリズムを実行することで得られます。一方、豊富なユーザー・データを大量に入手するには、データ取引1、企業合併や買収2、大規模な広告予算の投入が効果的です。そして最後に、競合する他のDSPよりも高いパフォーマンスを提供することで、多額の広告予算が割り当てられます。

Oath Ad PlatformsのDSPは、大手広告最適化エンジン、AdLearnがベースになっており、上記のビジネス・モデルの良い例になっています。3 Oathは様々な情報源から得た信頼できるデータを基に、優れた最適化を実現しています。そして適切なタイミングと場所で、適切なユーザーに適切な広告を提供するというシンプルな目的を果たすため、AdLearnによって最先端のAIとマシン・ラーニングを実装します。

 

マーケターの新たな役割

マーケターの役割がオンライン広告キャンペーンの管理だとすれば、そのための最も効果的な方法は変化しています。DSPが登場する前は、入念な企画、手作業でのA/B比較テスト、広告予算の投入先やターゲットとなるオーディエンスについて膨大な推測作業が必要でした。プログラマティック・アドバタイジング、中でもDSPが利用できるようになったことで、以下の方法で作業が行えるようになりました。

1. 信頼できるDSPを探す
評判が良くないDSPが多数あるので、この作業は非常に重要です。

2. キャンペーンの目的とその相対的な優先度を慎重に定義する
マーケターがコンバージョン総数を最大化したい場合、コンバージョン当たりの実質的なコストを最小化するべきだという点に注意してください。インプレッションの価格は市場価格によってそれぞれ異なるので、これはコンバージョン率の最大化には適していません。

3. ROIを監視・評価して、キャンペーンの目的を達成していること、信頼できるDSPであることを再確認する
ここで最も重要なのは、テクノロジーと人による分析を組み合わせることが成功だという点です。アルゴリズムによってデータを処理し、クリックやコンバージョンの複雑なパターンを特定・予測します。しかし、こうしたアルゴリズムには、正しい結果を導き出すためにどこを最適化すべきかを「人」が分析する必要があります。

 

1 DSPプロバイダはサードパーティ機関とデータ取引契約を締結し、オーディエンスのデータにアクセスすることで、特定の広告主の広告を好むユーザーを簡単に特定できます。

2 広告業界では一般に、企業合併と買収によって豊富なデータ・プールが得られ、オーディエンス・ターゲティングの見通しやキャンペーン最適化の改善に寄与します。

3 Oath Inc.はVerizon Communicationsの完全子会社で、インターネットを象徴するAOLとYahooから構成されています。AOLは2015年に、Yahooは2017年にVerizon Communicationsが買収しました。

 

 

Niklas Karlsson
Oath Inc.チーフ・サイエンティスト兼研究開発分野担当バイス・プレジデント

Niklas Karlsson博士はOath Inc.のProgrammatic Ad Tech Demand Platformチーフ・サイエンティスト兼研究開発担当バイス・プレジデントとして、オンライン広告でのAI応用に関する研究開発・実装を行っています。UCSB(カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校)で制御理論、ダイナミック・システム、ロボティクスに重点を置いた工学分野で博士号(Ph.D.)、統計学および応用確立学の修士号(M.A.)を取得、ランド大学で工学物理学の修士号(M.S.)を取得しています。また、Stanford Executive Programを修了しています。Niklasは29件の特許を保有しており、2015年にはUCSBの機械工学科から「システム・エンジニアリングの原理をオンライン広告分野に応用した功績」を讃えるDistinguished Alumni Awardを授与されました。また、2017年にはOath Master Inventor Award(Oath Inc.内で最も権威ある科学技術分野の賞)も受賞しました。

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